システムプロンプト:AIの前提ルールを決める指示
会話全体に効くAIの役割・ルールを設定する「システムプロンプト」の解説
システムプロンプト(System Prompt)とは、ユーザーとの個々のやり取りとは別に、AIの役割や守るべきルール、口調などをあらかじめ指定しておくための指示文です。会話全体を通して効く「前提条件」として働きます。チャットボットや社内AIツールを作るときの土台になる重要な要素です。
通常のプロンプトとの違い
- 通常のプロンプト(ユーザーメッセージ):そのつど「これを要約して」「この文章を翻訳して」と頼む内容。
- システムプロンプト:会話の最初に一度設定し、以降のすべての応答に影響する指示。「あなたは〇〇社のカスタマーサポート担当です」「回答は日本語の敬語で」など。
APIでは、システムプロンプトを専用の欄(system パラメータなど)で渡す仕組みが一般的です。チャットサービスでは「カスタム指示」「プロジェクトの指示」といった名前で、似た機能が用意されていることがあります。
何を書くか
- 役割:「社内ITヘルプデスクの担当者として回答する」
- 対象読者:「ITに詳しくない社員向けに説明する」
- ルール・禁止事項:「社外秘の情報は扱わない」「わからない場合は担当部署への問い合わせを案内する」
- 出力形式:「結論を先に書き、手順は番号付きリストで」
- 参考資料:社内FAQなど、回答の根拠にしてほしい情報
書き方のコツ
- 理由を添える:「箇条書きを使わないで」より「音声で読み上げるので箇条書きは使わないで」のほうが意図が伝わります。
- 矛盾を避ける:「簡潔に」と「詳しく」を同時に書くと、AIの判断がぶれます。
- 優先順位を明確に:複数のルールがぶつかったときにどちらを優先するかを書いておきます。
- 長すぎない:重要なルールが大量の文章に埋もれると守られにくくなります(コンテキストウィンドウ参照)。
例:社内FAQボット
あなたは株式会社〇〇の総務部アシスタントです。社員からの質問に、下記の社内規程だけを根拠に答えてください。規程に記載がない場合は推測せず、「総務部(内線XXX)にお問い合わせください」と案内してください。回答は3〜5文の丁寧語で書いてください。<社内規程>…</社内規程>
注意点
- システムプロンプトは秘密を守る仕組みではない:工夫次第でユーザーが内容を引き出せる場合があります。パスワードやAPIキーなどの機密情報は書かないでください。
- 絶対的な制御ではない:システムプロンプトでルールを決めても、AIが常に完璧に守るとは限りません。重要な用途では、出力のチェックや人による確認を組み合わせましょう(AIの安全性・アラインメント参照)。
- 定期的に見直す:モデルが新しくなると、同じシステムプロンプトでも振る舞いが変わることがあります。
参考リンク
編集: AI Play 編集部 最終更新: 2026-10-25